橋本病
橋本病は甲状腺ホルモンが少なくなくなる病気で、自己免疫の異常によって甲状腺に慢性的に炎症が生じていることから、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。この慢性炎症によって甲状腺組織が少しずつ壊され、甲状腺ホルモンが作られにくくなり、甲状腺機能低下になります。
甲状腺が腫れてきて、くびの圧迫感や違和感が生じることがあります。甲状腺ホルモンが減ることで、全身の代謝が低下することによって、無気力、疲れやすさ、全身のむくみ、寒がり、体重増加、便秘、かすれ声などが生じます。女性では月経過多になることがあります。うつ病や認知症と間違われることもあります。血液検査では、コレステロール高値や肝機能異常を認めることがあります。
甲状腺機能が正常の橋本病では、原則的に治療は必要ありません。
甲状腺機能低下症がある場合は、合成T4製剤の内服を行います。ヨード過剰が疑われる場合は、ヨード制限も行います。