当院の循環器内科について
循環器内科とは
文字通り、「循環器疾患を扱う内科」ということになりますが、「循環器」とは何でしょうか。
人間の体においては、「血液(酸素)を体中に循環させている臓器」ということになります。それに問題がでるということですので、循環器疾患とは「全身の血管の形や血液の流れの異常により引き起こされる疾患」ということです。
身近な例でいうと
- 高血圧症
- 心筋梗塞、狭心症
- 不整脈(期外収縮、心房細動、ペースメーカーなど)
- 弁膜症(僧帽弁閉鎖不全、大動脈閉鎖不全など)
- 心筋症、心筋炎
- 大動脈疾患(大動脈瘤、大動脈解離、大動脈炎症候群、川崎病など)
- 末梢動脈疾患(閉そく性動脈硬化症、頸動脈硬化症など)
などが挙げられます。
つまり、加齢や生活習慣によって血管に老化や動脈硬化がおよび、血管が固く細くなったり、場合によっては詰まったりしてしまい、引き起こされる病気を扱います。
もっと解釈を広げると、心原性脳梗塞などもあるので、私たち循環器内科医が扱う疾患はかなりの数に上りますし、そもそもの原因となる「血管の老化」や「動脈硬化」の原因となる生活習慣病も私たち循環器専門医が、しっかりコントロールするようにしますので、「糖尿病」や「高コレステロール血症」についても、しっかりご相談にのって、場合によっては治療もお勧めするわけです。
また、循環器疾患それぞれの症状が多彩であるため、一口に「めまいがする」「動悸が治まらない」といっても、単に耳鼻科的なものなのか、それとも不整脈からきているものなのか、きちんと検査をしないと分かりません。
ですので、他科にお任せしていいのか、緊急性がある循環器疾患なのかの鑑別もしっかり行っております。
病気にも、一刻一秒を争う病気(脳梗塞や心筋梗塞のように、手遅れで命に関わるもの)と月単位で悪化するかもしれない病気(例えばガンのように徐々に生命を脅かすもの)があります。
医者は「疑わしきは罰する」立場で診療にあたっているのですが、その際「あったらマズイもの」から順に鑑別していきます。
例えば「胸が苦しい」という場合に「狭心症かな?逆流性食道炎かも?それとも肺炎かもしれないな」といった場合に、あってマズイ順、つまり「心筋梗塞→肺炎→逆流性食道炎」の順番にチェックしていくわけです。
「循環器」だけでなく、他の疾患についてもしっかりとした知識が求められる内科といえます。
循環器内科と心臓外科の違い
心臓外科医とは、「手術によってしか治療の見込みがない患者さんに対しての切り札」を持っている医者というイメージでしょうか。
先ほど述べたように、高血圧症を始め、狭心症などの普段のコントロール(生活習慣病含め)は内科医の領分です。
しかし、いざ病気が進行してしまい、大動脈という大事なパイプが破けてしまったりしたら、内科医ではどうしようもありません。心臓外科医の登場です。
また、弁膜症が増悪してしまい、十分な心臓ポンプ機能が果たせなくなってしまった患者さんに対しても、内科医は無力で、心臓外科の先生方に手術をお願いしなくてはなりません。
もちろん最近ではカテーテル治療という、循環器内科医が行う手術も増えており、治療成績も良くなってはいます。
当院の考え方
私どものクリニックでは、循環器専門医を先頭に、心臓・血管エコーを得意とする臨床検査技師や循環器センターでの経験豊富な看護師が、常に「マズイ病気かもしれない」という緊張感を持って診療にあたっております。
当院で可能な循環器検査としては
- 心臓トロポニンT迅速検査
- 超音波検査(心臓、下肢血管、頸動脈など)
- 24時間ホルター心電図
があり、いわゆる普通の総合病院の循環器外来程度の検査はできます。
新型コロナウイルス感染症による受診控えが問題視される中、循環器疾患も例外ではなく、見逃されてしまっているとの報告もあり、可能な限り私どものような近所の町医者レベルで、「早期発見・早期治療」ができればと思っております。
もちろんクリニックの医者もスタッフも人間ですので、間違いを起こす可能性も否定はできませんが、少しでもクリニックで手に負えない、危ない状態であると判断すれば、近隣の信頼できる循環器チーム(藤沢市民病院、湘南藤沢徳洲会病院、湘南鎌倉総合病院など)にご紹介しておりますので、どうぞよろしくお願い致します。