長引く咳。マイコプラズマ肺炎?
マイコプラズマという細菌に感染することで起こる肺炎です。
5歳以上の小児に多く見られる、感染によって引き起こされる肺の急性炎症です。
初期診断は通常,胸部X線および臨床所見に基づいて行います。
肺炎の起こりえる状況としては、肺の防御機構が障害されている場合や、正常な宿主防御機構を上回る大量の細菌が吸引された場合、または特に毒性の強い病原体に初めて感染した場合などで,病原体が血流を介して,または隣接する胸壁もしくは縦隔から肺に到達し,感染が生じます。
症状
症状としては,倦怠感,悪寒,振戦,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸痛などがあります。
咳嗽は典型的には,年長の小児では湿性であり,乳児,幼児では乾性(かわいた咳)のことが多いです。
呼吸困難は通常,軽度かつ労作時に認められ,安静時に認められることはまれです。
胸痛は胸膜性で,感染領域に隣接しています。肺炎は,下葉の感染巣が横隔膜を刺激すると,上腹部痛として症状が現れることがあります。
消化管症状(悪心,嘔吐,下痢)もよくみられ、乳児における感染では,一般的な易刺激性および不穏として現れることがあります。
診断について
臨床像および胸部X線上の浸潤影に基づき本症を疑います。
肺炎の臨床的疑いが強くても胸部X線で浸潤影がみられない場合は,CT検査または24~48時間毎の胸部X線再施行が推奨されます。
治療について
小児患者の治療法は,年齢,ワクチン接種歴,および外来治療か入院治療かによって異なります。
外来治療の場合,治療は年齢によって決まります。
5歳以下の小児だとアモキシシリンまたはアモキシシリン/クラブラン酸が通常選択すべき薬剤です。
疫学的に非定型病原体が原因として示唆され,臨床所見が一致していれば,代わりにマクロライド系薬剤(例,アジスロマイシン,クラリスロマイシン)を使用することもあります。
臨床的特徴からウイルス性肺炎が強く示唆される場合,抗菌薬を使用すべきではありません。
5歳以上では、アモキシシリンまたは(特に非定型病原体が除外できない場合)アモキシシリンとマクロライド系薬剤の併用。アモキシシリン/クラブラン酸は代替手段です。
原因が非定型病原体と考えられる場合,代わりにマクロライド系薬剤を単独投与することもあります。